メジャーリーガーの平均的なボール →

MLBやプロ野球などの選手の中でも特に優れている選手が注目され、その選手の体型や記録などが紹介されますが、平均的なデータは気になりませんか?

 MLB選手の平均値を知ることで、目標を明確にしたり、優れた選手のどこが優れているのかを調べたりと役立つかもしれません。

 

本記事では、少し古いデータにはなりますが、2017年のMLBデータを参考に、投手の平均をみていきましょう。

 

 

【この記事でわかること】

1.平均値を知ることは、目標や変化を知るなど多岐にわたって重要である

2.球種別の球速では、4シームに対する割合を知ることも大切

3.ボールの回転数だけでなく、ボールの変化量を同時に見ることで、変化球の質を知ることができる

       

       

       

      【目次】

      1.平均値を知るメリット

      2.球種別の投球割合

      3.球種別の平均球速

      4.球種別の回転数とボール変化量

      

       

       

       

      1.平均値を知るメリット

       様々な場面で、平均値や平均点など平均という言葉が用いられます。

       

       野球においても、身長や体重の平均値などの体格の目安や、チーム平均など球団の差を見るときに使われるなど、多岐にわたって使用されます。

       

       平均値を算出し、防御率の平均よりも低い奪三振率が平均よりも高いなどのように平均と比べることによって、選手のスキルを評価することにもつながります。

       

       毎年、平均値の変化を知ることでも、チームや選手の調子がどのように変化しているのかも知ることができるので、様々な内容で平均値は重宝されます。

       

       

       

      2.球種別の投球割合

       MLBで投球される球種の割合の平均はどうなっているのでしょうか。

       

       

      1.球種別の投球割合(MLB2017年データ)

      Baseball Geeksより引用、筆者改変

       

       この図を見ると、4シームがやはり最も投げられていることがわかります。3球に1球は4シームを投げているという計算になります。

       次いで、2シーム、スライダー、カーブが良く投げられる変化球になります。先発タイプの投手では、平均4.7球種持ち球があるということからも上位にある球種はほとんどの選手が投げられるのかもしれません。

       

      また、救援タイプでは、スライダーを投げる選手が多いと明らかになっていることからもスライダーの割合が高いのは投手のタイプが影響している可能性があります。

      参考:「先発タイプ」ってなに?持ち球からその適性を考える

       

       

       

      3.球種別の平均球速

       次は、MLBで投球される球種別の球速の平均はどうでしょうか。

       各球種の平均速度について、4シームの球速に対する割合も合わせてみてみましょう。この4シームに対する割合で見ることは、変化球の質を見るためにもとても重要になってきます。

       チェンジアップのように4シームとの緩急をつけたい場合に、4シームとの差を知ることが大切なためです。

       

       

      1.球種別平均球速(MLB2017年データ)

      Baseball Geeksより引用、筆者改変

       

       この表を見ると、平均で4シームが150km/h出ていることが分かります。MLBの速球のレベルが上がっており、それに伴って変化球の効果が高まることも期待されます。

       

       変化球を見ると、カーブの球速が最も遅く、4シームの約84%の速度であることが分かります。この緩急があることで、空振りやゴロを誘うことができるカーブになってくるのではないでしょうか。

       

       

       

      4.球種別の回転数とボール変化量

       ボールの回転数と変化量については、球種別にどのような平均値になるのでしょうか。

       ボールの回転数は、多くなればなるほど、ホップやキレなどを生み出しますが、ジャイロ回転が含まれることで、その変化への貢献が低下してしまいます。

       

       そこで、ラプソードなどでも測定できるボールの変化量についても評価することで、どの程度のボール変化が起きるのかを評価することができます。

      参考:SPV(ボールの回転と速度)とは

       

       

      2.球種別の回転数とボール変化量(MLB2017年データ)

      Baseball Geeksより引用、筆者改変

       

       この表の回転数の欄を見ると、チェンジアップとスプリットのような回転数が少ない球種においては、他の球種に比べてしっかりと回転数が落ちていることが分かります。

       

       4シームでは、縦の変化量43cmと最も変化量が大きいことが分かります。43cm縦に変化するということは、ボールが2個分程度、上にホップしていることになります。

       その変化量に150km/hの速さが加わると、十分武器として使えることが想像できます。

       

       

       このMLBの投手の一覧表は、とても貴重なデータであり、プロやメジャーを目指す選手の目標として設定しやすくなるのではないでしょうか。

       

       

       平均値を知るということは、自分がその集団の中でどの位置にいるにか、また自分は何が優れているのか、何が劣っているのかを把握する大切なデータになります

       ぜひ、野球にかかわる皆さんには、数字やデータに敏感になっていってほしいと思います。

       

       

       

      引用・参考文献

      1. Baseball Geeks:メジャーリーガーの平均的なボールって?(閲覧日:202291日)
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